実施企業インタビュー

プロジェクトに込めた期待と手ごたえ

Tokai Innovation Institute(以下、TII)では、大学研究者や大学発スタートアップとのネットワークを活用し、企業様の新規事業検討や技術探索を支援しています。

その取り組みの一例として、新規事業の可能性を模索していたK社様との事例を、ご担当者様のインタビューをもとにご紹介します。

新規事業の構想を、大学の知見で具体化する

~K社様とTIIが取り組んだ新規事業探索~

新しい事業を考えたい。でも、そのアイデアが本当に成り立つのか、どんな技術が適しているのかは分からない…、今回お話を伺ったK社様も、当初はそうした状態からスタートされました。
既存事業の延長ではないテーマについて検討を進めるなかで、社内だけでは得られない情報や知見に触れる必要性を感じられていたそうです。
そこで、Tokai Innovation Institute(TII)を通じて大学研究者や大学発スタートアップと対話を重ねながら、テーマの可能性を探っていかれました。
今回は、そのプロセスや、実際に取り組むなかで得られた気づきについてお話を伺いました。

「社内知見だけでは進めにくいテーマだった」

今回のテーマについて伺うと、担当者様はこう振り返りました。
「社内知見だけでは進めにくいテーマをあえて選んだのです。」
検討していたのは、新しい事業や商品の可能性です。
ただし、それは既存事業の延長線上にある話ではありませんでした。
やりたい方向性はあるが、それを実現するためにキーとなる技術も、どこから調べればいいのかも見えていなかったといいます。
「どの事業部がやるべきなのかも含めて、なかなか前に進めづらい話でした。」
そんな中で、「社内だけで考えていても答えは出ないかもしれない」と感じ始めたそうです。

「思いもよらない技術があるかもしれない」

大学に期待していたことを尋ねると、担当者様から返ってきたのは意外な言葉でした。
「別に特定の技術を探していたわけではないんですよね。」
むしろ期待していたのは、「思いもよらない技術が、こういうふうに転用できるかもしれない」という発見だったと言います。
企業の中で考えていると、どうしても今ある商品や市場の延長で発想してしまうが、大学には、企業の論理とは違うところから生まれた研究がある。
「大学には、そういう知見が埋もれているのかもしれないなと思っていました。」
その期待が、大学との対話を始めるきっかけになりました。

「空振りばかりになるんじゃないかと思っていた」

一方で、不安もあったといいます。
大学の先生と話す機会は、それまでほとんどなかったそうです。
そのため、「こっちのビジネス側の考え方と、大学側の研究の価値観が合わずに、空振りばかりになるんじゃないか」という心配もあったそうです。
正直なところ、どこまで話が進むのか分からない、そんな状態でのスタートでした。

「大学だからもっと時間がかかると思っていた」

実際にプロジェクトが始まると、その印象は大きく変わったと言います。
担当者様がまず驚いたのがスピード感です。
「大学だからもっと時間がかかると思っていました。」
「でも実際は、思った以上に早かったですね。」
研究者探索から面談設定までがテンポ良く進み、次々と議論の機会が生まれていきました。
また、TIIとの議論を通じて、当初は漠然としていた構想も少しずつ整理されていったと言います。

「ミート率が高かった」

今回の取り組みで特に印象に残ったことを伺うと、担当者様は研究者とのマッチングについて語ってくださいました。
「ミート率が高かったですね。」
紹介された研究者は、専門分野が近いだけではありませんでした。
企業の話を聞き、テーマに興味を持ってくれる。一緒に議論してくれる。
「こういうことに興味を持ってくれそうな先生を選んでもらえていたように思います。」
だからこそ、一方的に話を聞くだけではなく、テーマについて深い議論を重ねることができたといいます。
また、その過程で大学発スタートアップとの出会いもありました。
「論文ベースじゃなくて、実際にものになっていると言われた瞬間に感度が上がりましたね。」
研究成果が社会実装へ向かう姿に触れられたことも、大きな刺激になったようです。

「こういう場を一回つくるのは良いと思った」

今回の取り組みは、個別面談だけでは終わりませんでした。
研究者との議論の中で関心が高まり、本テーマについて、オープンイノベーションの場としての「TOISセミナー」が開催されることになりました。
担当者様は、このような場の価値について次のように話しています。
「いろいろ新しいものを考える上では、あのような場を開催して、広く情報を得ると想像以上に発想が広がっていいかもなって思いましたね。」
研究者、企業、行政…さまざまな立場の人が集まり、一つのテーマについて意見を交わしていく。
そうした場だからこそ得られる知見や人脈があったと言います。
K社様のテーマを起点に、研究者との対話が広がり、セミナーという新たな議論の場につながりました。
企業と研究者が一対一で話して終わるのではなく、多様な立場の人が集まって議論できたことも、TIIとの取り組みならではの価値だったと言えるでしょう。

「やるとしたら、この技術だというところまで見えた」

今回の取り組みを通じて得られた最大の成果は何だったのでしょうか。
担当者様はこう話します。「やるとしたらこういう技術を使えばいい、というところまで見えました。」
さらに、「一旦ここまで整理できれば十分だと思えるところまで持ち上げられた。」とも振り返ります。
今回の目的は、最初から答えを見つけることではありませんでした。
テーマについて理解を深めること、可能性と課題を知ること、そして、次の判断ができる状態になること。
大学研究者との対話を通じて、その状態にたどり着くことができたといいます。

「迷っているなら、やってみたらいい」

最後に、同じような悩みを抱える企業へのメッセージをお願いしました。
担当者様は少し考えた後、こう答えてくださいました。
「迷っているなら、やってみたらいいと思います。」そして、こう続けます。
「思った以上に得られるものがありました。」
「プラスの方が圧倒的に多かったですね。」
今回K社様が得たのは、特定の技術だけではありません。
新しいテーマを探索するための視点。研究者とのネットワーク。そして、自社だけでは見えなかった可能性です。
その一歩を後押ししたのが、大学との対話であり、TIIとの取り組みでした。

TIIが支援したこと

• 構想・課題の整理
• 技術領域の探索
• 大学研究者の探索・選定
• 研究者との面談調整・同席支援
• 技術候補や論点の整理
• 大学発スタートアップとの接点づくり
• セミナーをはじめとした対話・共創の場づくり

新規事業の可能性を一緒に探ってみませんか

TIIでは、大学研究者や大学発スタートアップとの対話を通じて、新規事業の可能性探索を支援しています。
「何から始めればよいか分からない」、そんな段階からでも、お気軽にご相談ください。